家族構成 | ご夫婦・お子さま2人 |
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施工エリア | 愛知県名古屋市 |
建物概要 | 平屋 |
敷地面積 | 55坪~ |
延床面積 | 30〜35坪 |
目次
琴線に触れた、その感覚を信じて
学生時代からの同級生というご夫婦。東京で暮らしていた日々のなかで「子育てや今後の人生は地元愛知に戻って過ごしたい」という想いが芽生え、ご主人の実家横の土地へ移り住むことを決意されました。
遠い地での家づくりは、住宅関連の本を探すところからスタート。「何気なくパラパラとページをめくっていて、ネイエのページで手が止まりました」と奥さま。光と影を強調した写真が珍しかったと同時に、おふたりの好みにぴったりだったそうです。
帰省の足で向かったのは、ネイエのモデルハウス名古屋名東。「設計士の方に聞かれたのは、どんな家にしたいか?ではなく、どんな暮らしがしたいか?でした」。言葉よりも感覚を大切に希望を伝えていくと、あっという間に出来上がった設計図。驚くことに、完成した今の住まいとほぼ同じ間取りです。
「他のメーカーさんでは、何を諦めるかの話ばかり、、、ネイエさんはどうにか希望を叶えようとしてくれて、その姿勢に惚れましたね」とご主人は笑います。
常識よりも信頼にゆだねる
閑静な住宅街にある、奥行きのある広い土地。「こんな風に暮らしたい」というおふたりのイメージを形にした平屋の住まいが佇んでいます。
グレーのモルタルで仕上げた外壁は、シックで落ち着いた風景を演出。片流れにも見える大きな屋根は、他の住宅と一線を画す印象に。また塀の高さは、通行人からの目線を遮りながらも家の中からは外が広く見えるよう工夫が施されています。
そして、通りに面した場所には「離れ」があり、今は余白のスペースとして家族が思い思いの過ごし方をしています。当初、趣味に集中する場所として設計されたため大きな窓は必要なく、結果として家族のプライバシーを守ってくれていました。母屋よりも離れが手前にある住まいも、他ではなかなか見ることはありません。
「建築や設計は素人なので、設計士さんに背中を押してもらって決める場面が多かったです。不思議と”この人が言うなら”と納得できたんです」と奥さまは振り返ります。担当者との相性や信頼度は、家づくりにおいて重要なポイントのひとつです。
「みんなと一緒」も「じぶんの時間」も
一般的に平屋の家は、リビングを中心に広がる間取りが多く見られます。しかしこちらの住まいは、玄関を中心に、家族で過ごすパブリックスペースとプライベートスペースが左右で分けられています。
「目的に合わせて空間を分けるというアイディアも、ネイエさんにご提案いただいたものです。寝室にいるときに生活音が聞こえないので、子どもの寝かしつけやリラックスタイムに集中できるのが良いですね」とご主人。
「まとまりが難しい子どもたちの持ち物は、専用のカートに入れています。平日はダイニングに置いておいて、休日にはそれぞれの部屋へと運んでいます」と奥さまが話す通り、人や物がスムーズに移動できるのも平屋のメリット。
どこからもアクセスしやすい場所にトイレと独立洗面所があり、暮らしやすさを叶えながらも、見える部分はいつもきれいに。
玄関横には、シューズクローゼットとパントリーが一体となったスペースがあり、宅配や買い置きの重い荷物がスムーズに保管されています。
さりげない場所に生まれる家族の物語
料理が趣味のご夫妻。平日は奥さまが、休日にはご主人がキッチンを担当し、家族のおいしい時間を支えています。ステンレスや石を使用した機能性が高いキッチン周りには、使いやすさと収納力を重視した造作家具も設置。
キッチン前のダイニングには、ご主人の祖父の時代から大切に使われていたキャビネットが鎮座していました。「どうしても引き継ぎたい」と実家に保管されていたこだわりの家具です。
奥さまは「リビングよりもダイニングの方が広いんです。床暖房も入っているし汚れてもさっと拭ける床材なので、食事だけじゃなく子どもたちが絵の具でお絵描きしたりと、ついつい長居しちゃってます」と使い勝手の良さを教えてくれました。
そして、お子さんたちの描いた作品は、LDKの入り口に配された「ギャラリースペース」に飾られています。ご主人は「最初は贅沢だと思ったギャラリーですが、ここを通ることで空間に入るまでの余韻を感じることができるんです」と話し、奥さまも「来客の方にも好評で、子どもたちの情操教育にもつながっていると感じます」と、想像以上の効果を感じてくださっています。
小さな段差、外と中、光と影
LDKは壁で仕切らず、高低差によって別空間のような見せ方に。
畳スペースではお子さんたちがおもちゃを広げて遊んだり、リビングは昼寝やストレッチをする場所として活用されているそうです。
目の前に広がる庭は、夏は大きなプールを出したり、休日にはバーベキューをしたり、庭いじりや家庭菜園、サッカーの練習などレジャー空間そのもの。
「お互いの存在を感じながら、それぞれが好きに過ごせる空間があるところがお気に入りです」と奥さま。
また、母屋と離れの間は屋根がかかった通路になっており、そこから見る庭風景はまるで異空間のよう。暗い場所から明るい場所へ出たときの開放感をひときわにする、光のデザイン技法が使われています。
「一体にすべきところと切り離すところのバランスが絶妙。プロを信じて良かったです」とおふたり。お施主さまの「暮らしかた」に着目し、プラスαの提案で考え尽くされた平家の家は、あちこちでご家族の笑い声がこだましていました。
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