家族構成 ご夫婦・お子さま二人
施工エリア 愛知県瀬戸市
建物概要 平屋
敷地面積 95坪〜
延床面積 〜35坪
ネイエに勤めるご主人が、お施主さまとして迎えたこの住まい。

控えめながら、確かなこだわりが隅々に息づいており、敢えて余韻を残すように設えたことで、暮らしの中にも静かな奥行きが生まれています。

お子さまたちの成長を見守る場として、そして訪れる人の心をそっと和ませる場として、この住まいが、家族の原風景として、これからの人生をそっと支えていきます。

目次

    土地との出会いと平屋への導き

    ご主人がネイエの社員となって10年が過ぎた頃。
    お子さまたちの成長を感じながら「小学校に入る前に」と、ご自身の家づくりがはじまります。

    「ネイエで働くなかで、その魅力や考え方には日々触れてきました。だからこそ、自分の家を建てるならネイエしかないと。迷いはありませんでした。」とご主人。

    公私ともに親交のあった設計士に相談しながら、まずは土地探しに着手しました。「当初は、住むならやはり住宅街と思っていましたが、エリアの捉え方や暮らしの視点を少し広げてみたことで、想像以上に選択肢が広がりました。」と振り返ります。

    そこで出会ったのは、間口約7m、奥行き約40mという細長い敷地。最寄駅からは少し距離がありますが、暮らしの利便性と快適性を両立できる、絶妙な立地でした。

    当初は二階建てを前提に家づくりを進めていましたが、ご主人の心の片隅には、ずっと平屋への憧れがあったといいます。その思いを設計士に相談したところ「この土地なら平屋もいける。」とプランを提案され、大きく家づくりの方向性が広がることになります。奥さまは家づくりに長く携わってきたご主人を信頼していたこともあり、設計士の提案にも自然と身をゆだねることができました。

    帰宅する楽しみ、目が届く安心

    一見すると広く感じられる敷地ですが、実は前半分には建物を建てられないという制限がありました。ただ、その制約を前向きに捉え、敷地の前面にはゆとりある駐車スペースと、小道のようなアプローチが生まれています。

    「まっすぐではなく、少しカーブしたアプローチが、帰ってくるときに気持ちを切り替える余白になっている気がします。夜はライトアップされた植栽が出迎えてくれて、それを見ると“ああ、帰ってきたな”ってホッとするんです。」とご主人。

    外構には名古屋城の石垣にも使われる「幡豆石」を用い、情緒ある景観に。休みの日には植栽の手入れが新たな趣味に加わったそうです。

    石垣の奥には、バーベキューやボール遊びができる庭が広がります。ただし、広さを求めるのではなく、“目が届き、安心して過ごせること”を大切にした設計です。「やっぱり庭は広いほうがいい」と思っていたご夫婦も、設計士の助言によって考えを見直し「結果、正解でした。」と笑顔で話してくれました。

    約1.5mの張り出した鉄平石のデッキは、椅子として使える高さの40cm設計。見た目の佇まいだけでなく、家族の暮らしやすさを最優先にしたアイデアが随所に光ります。

    玄関からまっすぐ見える風景、リビングから見上げる風景

    玄関ドアを入ると、天井まで伸びた大きな収納が。玄関収納は家族4人の靴だけでなく、上着や日用品のストックや、庭道具まで入ります。

    玄関を入り、ガラスがはめられたかまち戸の向こうはLDK。丸いダイニングテーブルにはハンス・J・ウェグナーのYチェアが並びます。

    「リビングの天井を広くしたい」という要望に、設計士は見せ梁を提案します。通常なら隠れている梁部分を敢えて見せることで、天井高を変えるよりもコストを抑えつつ、木の温かみと奥行きが自然と広がる空間になりました。さらに、LDKがひとつの空間でありながら、梁がどことなくそれぞれの場所をやさしく区切るようにも感じられ、空間に穏やかな輪郭を与えています。

    西側の窓は、外の風景を絵画のように切り取っています。出窓になっているおかげで、光を一度受け止めてから届けてくれるような優しい日差しを感じることができました。

    キッチンに立てば、家族の様子やくつろぐ姿が自然と目に入り、ソファやダイニングからは、移ろう空や庭の風景がそっと視界に入ります。

    朝日を浴びながら朝食を摂り、日中は時間ごとに移動する光と影を愉しみ、夜には月明かりや自然の音に耳を傾ける。そんな時間が流れるLDKです。

    奥へと誘う、余白の廊下の設え

    LDKの奥は、寝室や子供部屋、バス・トイレなどといったプライベート空間へと通路がつながっています。

    入り口にはかまち戸を配しつつ、廊下は進みづらさを感じさせないよう、通常より余裕を持たせ、さらにひとつ目の曲がりでは少し緩やかに暗くなる。その緩急が奥行きをつくりだします。

    「広さや明るさを徐々に変化させるだけで、自然と“変わった”と実感できるんです。来客には少しの緊張感を、私たちには休息へと向かう余白の時間を与えてもらっています。」とご主人。

    廊下の先に見える窓の向こうには自然林が広がります。「夜中に子どもがトイレに起きたとしても、廊下から外が見えることで心細さがなくなります。私たちも通るたびにふっと心が解きほぐれるような感覚になります。」と奥さま。

    部屋同士の距離が近く行き来しやすい平屋建てだからこそ、来客時や日常的に家族の空間や時間をどう守るのかが大切なポイントとなっています。

    家事動線は、効率だけを重視するのでなく、家事の時間に少しでも楽しい瞬間を感じられるように。毎日通る場所でも、見える景色や見え方に「ちいさな喜び」を加えることで、繰り返しの時間に変化が芽生えます。

    自然と整えたくなる家

    お気に入りのエントランスと廊下、そしてご夫婦が「何よりも、子どもがのびのび遊べる家にしたい」と一番に願ったリビングダイニング。

    ご主人は空間を見渡しながら「子どもたちには『ここは好きに遊んでいいよ』と言えるし、友達が遊びに来るたびに嬉しい言葉をかけてもらえる。家族にとっても、自慢の家になりました。」と笑顔で話します。

    奥さまも「収納が多いおかげで自然と片付き、物をあるべき場所にしまえるから、生活感があまりなくすっきりとした空間が保てています。親も子も何も気にせず過ごせる空間が、日々の暮らしを軽やかにしてくれています。」と、喜びます。

    さらに印象的なことを話してくださいました。
    「旅行から帰ってきたとき、改めて気づくこの家の心地よさ。『やっぱりいい家だな』と実感できて、本当に幸せな気持ちになります」とおふたりは笑います。

    家づくりに携わってきたご主人も「まだまだ奥が深い」と話すネイエの家づくり。数年経ったいまも、木製の玄関ドアやフェンス、床などを定期的にメンテナンスしていただくなど、愛着もって過ごしていらっしゃるそうです。

    忙しい毎日のなかに、ほんの少しの余韻と余白を。心地よい調和は、そんな風にもたらされるのかもしれません。

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